【学生インターンからの報告】学生会員宮本まなさんからの報告
このたび学生会員さんから離島自治体へのインターン希望が1件あり、コロナ禍ではありましたが、実施に至ることができましたので、報告いたします。
協会としては、インターン先の検討やインターン受け入れについて自治体との調整を行ったほか、インターン前とインターン中に学生と遠隔会議システムを用いて面談を行い、学生さんの目的達成に向けた助言等を行いました。
コロナ禍で多忙のなかでの受け入れを快諾してくだった自治体の皆様には心より感謝申し上げます。
インターンしてきた宮本さんから感想をいただきましたので、掲載します。
与論町保健センターでのインターンを終えて
この春、青い海、白い砂浜、温かい風が吹く島に憧れて、凍えるほど寒い京都から与論島へ渡り、与論町保健センターで9日間インターンをさせていただきました。現在、保健師を目指して看護を学んでいます。島の保健師の活動や島での暮らしなど、実際に行ってみなければわからないことがあるという思いでインターンに臨みました。
恥ずかしながら、与論に行くまでは離島で新しい取り組みをしているイメージがなかったのですが、数年前より島外から訪問看護を受け入れたり、島内に訪問看護ステーションを設立する動きがあったり、また新型コロナウイルスのワクチン接種の体制をゼロから作り上げたり、うまく島外の風を取り入れながらよりよい方へ変わろうとしていたことが印象に残っています。保健センターの職員、保健師の姿を見ていると、今後与論はよりよく変わっていくのだろうなと思い、明るい気持ちになりました。
孤立に関わりたいという思いから保健師に関心を持ったこともあり、島での孤立もインターンを通じて学びたいことの一つでした。意外にも与論の自殺率は高く、保健師は、皆知り合いだからこそ言えないことがあるとおっしゃっていました。話をする人はいても悩みを吐露できないという、島には見えにくい形での孤立があるのかなと思います。また、島には人々が助け合って生きているイメージがあったのですが、訪問先で周囲に遠慮して助けを求めず、買い物に行けないため栄養不良状態にある高齢者に出会ったり、島内に親戚が住んでいても高齢のため支える人がいないという話を職員から聞いたりして、驚きました。彼らに対し、保健師や保健センター、地域包括の職員は、頻繁に通って関係を築き、買い物や服薬管理など、その時、その人に必要なことを行っていて、保健師がどのように孤立に関わっているのか、一面を見ることができたと思います。
滞在中は、方言が全くわからない上、外を歩いていると島民の方々の視線を感じることも多く、外国に来ているような感覚でした。皆さん本当に人のことをよく見ているのだと思います。勝手に離島は排他的だと思い込み覚悟して行ったのですが、拍子抜けするほどとても優しくて、親切でした。また、商店や空港などが車や自転車ですぐに行ける場所があり、手の届く範囲にあるのがいいなと思いました。満員電車や、人混みの中自転車をこぐ必要もなく、移動のストレスがないことも素晴らしかったです。
へき地保健師協会がなければ、与論に行き、与論の人々に出会うことはありませんでした。出発前とインターン中に面談の機会を設けてくださったことで、どのような視点で島を見ていくのかヒントを得ることができましたし、島外でへき地保健師協会の方々が応援してくださっていることが力になりました。与論町保健センターの皆さん、与論島の皆さん、へき地保健師協会の青木さん、櫻井さん、今回のご縁とサポートに大変感謝しています。本当にありがとうございました。
宮本まな
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