【開催報告】へき地だから人がいない!で終わらない自宅看取り体制の構築
第80回日本公衆衛生学会自由集会にて「へき地保健師のつどい」を開催しました。
自宅死率が高い東京の島の1つにある診療所の看護師さんから、島外の拠点病院との連携、他職種とともに島の暮らしを支える仕組みを作っていった歴史、日頃の関わりから住民の方たちの健康状態、家族関係などを把握している様子などを伺いました。
住民に急に「最期はどうしたいですか?」と聞いても戸惑います。そこで、看護師さんたちは、高齢者が自宅で転倒して診療所を受診した時など、何か変化があったときにさりげなく、「ご飯は誰が作っているの?」、「買い物はどうしてるの?」と聞き、これから先、体調を崩した時にどのような支援があるのか、ご自身はどのような心づもりでいるのか、などを確認したりしているそうです。
また、「ねちっこさと熱意」を持って、役場やケアマネージャー、社協、リハビリ職などと連携会議を発足させて行った地道な活動もお話しいただけました。
一人ひとりを観察し、希望を丁寧に聞き取った結果が在宅看取り率を高め、どのような方なら希望通り自宅死を迎えられるのか、という知見も集積されてきていて、へき地ならでは、の生活に根付いた看護活動、地域の連携がありました。
その後引き続きオンライン上で開催された居残りカフェでは、各地の看取りについて情報交換をしました。
参加者からは、「各地のへき地で活動している専門職が何をしているかだけでなく、どうしてそれをしているのか、という考えを聞くことができた」、「へき地だから人材がいない、ではなく、少ない中でも地道に活動してきた過程を伝えていただき勇気がでました。」、「人や地域を変えるのはこうした方々なのだ」などの感想をいただきました。ご参加ありがとうございました。
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