【開催報告】第81回日本公衆衛生学会自由集会へき地保健師のつどい@山梨県甲府

へき地の保健師は子どもが生まれる前からその子のことや親のこと、育つ環境などを知っている場合が多いと思います。でも、今年は、背景を知らない子どもを地域・家庭で受け入れることをテーマにしました。

お二人の話題提供者に、養子縁組と里親制度の違いや特徴、 離島留学生を受け入れる際の保健師への期待などについてお話を伺い、活発に意見交換を行いました。

養子縁組や里親の普及啓発をしている一般社団法人RAC代表理事千葉彩さんからは、「虐待・親の疾患など、 短期間保護するだけでは解決しない課題での保護が増加しており、地域で親子にかかわっていく仕組みが必要になってきている」 とのお話がありました。里親さんから「3歳児健診の時に取り調べのように聞き取りされて悲しかった」、「保健師さんは制度を知らないのかな?」、「公的機関の人たちに不審がられるのは悲しいのでもっと知って欲しい」 という声があることをお聞きし、「そういう人もいるんだ」 「こういう考え方もあるんだ」 とまずは関心を持つことが大事だと感じました。

離島留学と受け入れ自治体の体制について、長崎県の離島の元保健師平田真子さんから、「離島留学を開始して、島に『人』や『家族』をとらえる様々な視点がもたらされました。保健師は地域の頑張りを肯定し認め、状況を俯瞰させるための支援が重要な役割となる」というお話がありました。離島留学は、移住施策や地域振興の取り組みの一つとして、進められていますが、実際には、留学生の家庭構成や背景が見えず、問題への早期介入が難しかったり、島の子にももっと一生懸命になって欲しい、 という親の気持ちが出てきたり、受け入れ側の保健師にも様々な調整が求められたそうです。

誰もが、色々な思いを持ち、日々決断をしながら生きています。自分らしく暮らすとはどういうことか、どんな手助けができるのか、これからも自分なりに考えていきたいと思います。

NPO法人へき地保健師協会

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